「セントリュークスオーケストラカーネギー定期公演」 2005年2月15日 フランスから戻ってすぐ、今度は地元NYでの公演。移動がない分助かりますが、NYでのコンサートというのはいつも以上に気持ちが引き締まるもの!しかもカーネギーホールの舞台というのは色々な意味で特別です。
フランスでは演奏時間50分というエルガーのコンチェルトでしたが、今度はうってかわって、小品2曲。今回のプログラムはとてもユニークなもので、最初が私のソロが入るヴォーンウイリアムスの「The
Lark Ascending(あげひばり)」、スコットランド出身作曲家のジェイムス・マクミランの交響曲2番、休憩の後は、再び私のソロでベートーヴェンのロマンス2番、そして最後が、ベートーヴェンの交響曲「運命」。したがって、前半と後半の頭を担当ということになります。いつもならコンチェルト1曲に集中して備えるわけですが、今回は少し勝手が違います。しかも、コンチェルトならめりはりもあって自分の色々な面を表現することができるわけですが、今回の小品2曲は、2曲とも「ロマンス」というタイトルがついているだけあって、非常になめらかできれいに流れる曲。キャラクターが2曲とも同じ方向性のもので、それらを説得力をもって演奏するというのは逆になかなか難しく、多少不安でもありました。しかしながら、このヴォーンウイリアムスの曲は、以前から演奏してみたいと思っていた曲の一つで、オーケストラとの掛け合いが多く、非常に室内楽的な曲でもあり、今回共演させていただいたセントリュークスオーケストラはそういった点で非常に個々のプレイヤーが素晴らしいので、本番が近づくにつれてとても楽しみになってきました。コロンビア大学内のレーナーホールで行われる最初のリハーサルでは、音色やバランスなどに心を配る指揮者のラニクルスのタクトのもと、とてもいい雰囲気でリハーサルが進められました。本番当日は、オープンリハーサル。昨年のクリスマス以来のカーネギーホールの舞台でしたが、このステージは何度立っても、言葉では言い表すことのできないような特別な空気があり、こんなに天井の高い大きなホールにもかかわらず、どんなに小さなささやくような音を出そうとも、この空気がホール全体に音を運んで行ってくれるという感覚があるのです。今回のコンサートはトップバッター担当、しかも非常にファンタジックに始まる曲だけに、自分はじめ、会場全体その雰囲気にもっていけるか心配でしたが、やはりこの舞台に立てるということの幸福感や感謝の気持ち(特に出産後演奏できるということの素晴らしさをひしひしと感じております)が助けてくれたように思いました。次第に自分自身が自由になり、集中できるようになっていったのです。 楽屋では主人と娘の真矢が出迎えてくれて、ほっと一息。そういえば、昨シーズンのカーネギーでのコンサートでは、この真矢がお腹の中にいながらの演奏だったんだなあと、感慨もひとしおでした!
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